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イデー・モンテッソーリ/モンテッソーリ教育を愛する全ての人へ

2017.10.26 AMI認定トレーナーインタビュー
Montessori NORTHWEST②
先生達に伝えたいこと


前回に引き続き、ポートランドにある国際モンテッソーリ協会公認教師養成所「montessori NORTHWEST(モンテッソーリ・ノースウェスト)(以下、MNW)」のベテラントレーナーのお二人に話を伺いました。

 

写真左:3-6歳国際トレーナー「サラ先生(Ms. SARAH WERNER ANDREWS) 」
写真右:6-12歳国際トレーナー「エリーズ先生(Ms. ELISE HUNEKE-STONE)」

 

 

 

アルバムに忠実であるということ

– これまでは、AMIやMNWの特徴をお伺いしてきました。一方このサイトは、資格を取得したばかりのモンテッソーリの先生方も沢山見ていらっしゃると思います。

 

その先生方へのアドバイスはありますか?例えば、先生達はコースで作ったアルバム()を復習しながら実践していく場合、その通りに行かない事もあると思います。

 

※多くのモンテッソーリ教師養成コースでは、トレーナーから学んだことを自分専用の教科書として、まとめることが卒業までの必須課題とされている。まとめる量は分厚いファイル何冊にもなり、それを「アルバム」と呼ぶ。

 

エリーズ: 「アルバムは大事ですが、私(トレーナー)の言った一時一句に縛られる事はありません。

 

『Reinventing the Wheel”(車輪の再発明)という言葉を知っていますか?既に広く受け入れられて確立されている技術や解決法を知らずに、同様の物を一から再び作る事。つまり『あなたは誰かが既にやったことを、また一からやる必要はない』という意味なのです。

 

モンテッソーリの世界では、マリア・モンテッソーリが既に教育法を編み出してくれました。私たちは、彼女が既に発明してくれた事(モンテッソーリ教育)を再発明する必要はありません。

 

ですから生徒たちは、モンテッソーリが残してくれた所からスタートする事ができるのです。そして、もっと進化した所へと進む事ができるのです。

 

必ずしも、『モンテッソーリが残した事と全て同じようにやらなくてはならない!』という訳ではありません。彼女の残した理論に沿った考え方や感覚を大事にしたいんです。」

 

(写真右、生徒達が提出したアルバム)

 

サラ:「私もアルバムを大事にしますし、生徒にも素晴らしいアルバムを作って欲しいです。

 

でもそれは、教具や提供(子どもに活動のやり方を紹介すること)の後ろに隠れたモンテッソーリの『最も重要な部分』を知って欲しいからです。もし教具の意味を深く理解し、『ああ、“コノコト”がこの教具について不可欠な部分なのね!』と気付く事ができたら、『この部分は絶対に変えられないし、大事にする。でも逆にこの部分は、そんなにこだわらなくて良いのだわ!』等と、柔軟に考えられるようになります。」

 

– 必死で勉強するからこそ「コースで習った事は、提供の順番や方法を少しも変えてはいけない!」と思ってしまいそうですね。

 

サラ「いかなる時も『この教材教具を教わった通り提示しなければいけないんだ!!』と頑なになるのではなく、その活動の真の目的は失う事なく、目の前の子どもによって、必要に応じて提供を少しだけ変化させ、柔軟に行って良いのです。

頑なになるよりも、『子どもをどうやって観察するのか』『この子どもは何が必要なのか』を知る事が大切です。

 

『子どもを観察』する事で『この子はこの提示から何を得られるか』を知るという事です。

 

教具や活動の意味を理解した上で子どもを観察すると、『この提供をこの子に良いように、どんな風に変えられるか』と考える事ができるようになるんです。」

 

(3-6歳教師トレーニンングの部屋)

 

 

 

観察の大切さ

エリーズ:「サラが『観察』について述べてくれて嬉しいです。」

 

サラ:「『観察』は、実際に子どもと結びついていますから。

 

私はモンテッソーリ教育をカリキュラム化して欲しくないのです。アルバムはアメリカではオンラインで買う事も、ダウンロードする事もできます。でもアルバムがあるからと言って、それがあなたをモンテッソーリ教師にしてくれるのではありません。それは、現実世界にいて成長している子どもと、あなたを結び付けてくれる訳ではないですから。」

 

 

 

3-6歳とエレメンタリーの違い

– 3-6歳とエレメンタリー(6-12歳)のモンテッソーリ教育のプロフェッショナルであるお二人にあえてお伺いします。

 

モンテッソーリ教育の「3-6歳」と「エレメンタリー」の一番の違いは、ズバリ何でしょうか?

 

3-6歳でやっている事を少し難しくした物が、エレメンタリーだと思ったりしてしまいそうですが。

 

(エレメンタリー教師トレーニングの部屋)

 

エリーズ:一番の違いは、3-6歳では先生が提供やサポートを『個々の子ども』に行う事だと思います。成長的にそれが適切だからです。

 

しかしエレメンタリーでは、それを『グループ』に対して行います。なぜなら自立は既に獲得されている事だからです。

 

3-6歳とエレメンタリーの先生は『どちらが難しいか』という事ではなく、社会的に『個々の子どもを援助する』のか、それとも『集団の子どもを援助する』のかという事です。つまり、大人との関係が異なるのです。」

 

サラ:「そう。3-6歳は『自分を構築する』という事が大切で、エレメンタリーは『社会的集団の構築を助ける』という事が大切なんです。そして、それぞれ両方とも必要なのです。」

 

(エレメンタリー教師トレーニングの部屋)

 

 

 

先生達へのメッセージ

– 最後に、現場で活躍する日本のモンテッソーリの先生に、何かメッセージを頂けませんか?

 

エリーズ:「まずは、子どもを観察する事です!そして、人間の傾向性をサポートする事

 

私は、子ども達の人間の傾向性がサポートされて欲しいと心から願っています。それが、人間が学ぶ方法だからです。探索する事、コミュニケーションをとる事、お仕事をする事、手を使う事、動く事、秩序をつくる事、繰り返しが自由である事等、子どもが全ての傾向性を使って過ごせるクラス環境がとても大切です。

 

もし先生の理想や一方的な考えだけによってクラスを運営していて、子どもが傾向性を使えていない時、子ども達は必要な物を得る事ができなくなってしまいます。」

 

(3-6歳教師トレーニングの部屋)

 

– 「子どもが人間の傾向性を使えるという事」。それが一番大きなガイドラインであり、大切な事なのですね。

 

サラ:「最後に、愛について述べたいと思います。モンテッソーリは、『子どもは愛の教師だ』と言っています。先生に、一緒にいる子ども達に愛を見つけて欲しいです。

 

Who learns in love will not destroy the creature’s life, the flowers joy.(愛の中で育った子どもは、生き物を破壊する事はなく、そして花は喜ぶ)』ということわざがあります。先生が子どもを愛する事ができれば、道は見つけられます。」

 

– 子どもを愛しながら、一方で厳しくする必要もありますか?

 

サラ:「子どもが先生を恐れたら、彼らは『活動』をすることができません。先生の言う通りにはするかも知れませんが、『学んで』はいません。

 

モンテッソーリ教師として、子どもは愛のある環境の中で学んで欲しいと願っています。厳しい環境の中でなくてです。なぜならそのような環境は怒りや、恨みを生むからです。

 

『You can be firm and be loving.(愛しながらも、毅然とした態度を取る事)』

 

大人は、『しっかりした教え』と共に『愛』を持つことができます。それらを同時に持つことができる時、それはモンテッソーリ教師としてベストです。

 

子どもの仕事は、愛のある環境の中で活動して学ぶことだからです。」

 

(3-6歳教師トレーニングの部屋)

 

 

お二人のトレーナーの先生方、お忙しい中質問にお答え下さり、本当にありがとうございました!

 

MNWの詳しい情報は、「もっと学びたい方へ」もご参照下さい。

 

 

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