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2017.12.21 従順性の3段階


小さな子に対して「どうして、言うことを聞けないの? 」と言ってしまう事はありませんか?

 

そんな時にモンテッソーリ教育の「子どもの見方や考え方」を知ると、すっと楽になるかもしれません。

 

今回は、「従順性の3段階」について、0-3歳のモンテッソーリ教育のスペシャリストの大原青子先生にお話を伺いました。

 

 

従順性の発達とは?

「従順性の発達」には、3段階あります。

(※従順性・・・自らルールを守りたい、従いたい、という気持ち)

 

最初は大体1~2歳位までの時期、次に3~4歳位の時期、最後に5歳以上の時期があります。突然現れるものではなく、徐々に育って行くものです。

 

 

従順の3段階

第一段階は、1歳~2歳頃で、本能が理性に優っている時期(本能>理性)

 

第一段階ぐらいの人たちは、まだまだ良い悪いの区別がつきません。例えば、“目の前に食べ物を置かれたら食べる”など、大変衝動的です。「いただきます」をしてから食べるのではなく「目の前に出されたらすぐ食べ始めてしまう」等が、1〜2歳の初期の頃の特徴です。

 

しかし周りの大人や子どもを見て、少しづつ「皆が席に着いて『いただきます』と言ってから食べる」というルールを学んで行き、2歳の終わり~3歳になってくる頃には、それを分かるようになって来ます。そういったことが「従順性が育った」ということになると思います。

 

(1歳半位の子ども)

 

しかし基本的には、第一段階はまだまだ衝動的で、理性より本能が強いのです。

 

 

第二段階目3歳~4で、本能と理性の力がちょうど同じ程度に働く時期。(本能=理性)

 

つまり、ルールが分かって行動できる時もありますが、分からない時もあります。大人の言うことをちゃんと聞けたかと思うと全く聞けなかったりして、理性と衝動の力がちょうどイコールになっているような感じです。

 

(エミール子どもの家乳児クラスより)

 

第三段階は、5歳頃~で、本能よりも理性の方が強くなってくる時期。(本能<理性)

 

はっきりと「ルール」が分かり、ダメなものはダメで、「これはルールがあってできないから、しちゃダメだ」という事が自分で分かるようになるのです。この時期の子どもたちが先生に「○○ちゃんが、物を投げてたよ!」「○○ちゃんが片付けてないよ!」などと言いつけに来たりするようになりますが、これも「守るべきルールをしっかり理解できている」という事が見えるサインです。

 

 

(エミール保育園幼児クラスより)

 

 

 

それぞれの段階での大人の関わり方

 第一段階(1歳~2歳頃 / 本能>理性) 

まだまだ本能の方が強いので、『ダメよ、と言っても、どっちみちやってしまう』という事を大人側が理解している」という事が重要です。

 

しかし「どうせやるなら、言っても言わなくても一緒じゃない?」と放任せず、良い悪いをハッキリと伝えていく事も大切です。

 

例えば、机の上に乗ったりする子がいたら、「机は登っていいものじゃないよ」とハッキリ伝えて行きましょう。

 

 

ただその時には、一時的に降りたとしてもまたすぐ登る場合もあります。しかしその時にカッとなって「何で登るの!?さっき、あれほど言ったじゃない!」などと言っても、残念ながら登りたければまた登るでしょう。

 

これは「脳神経回路がそこまで育ってない」という事なのです。ですから、それ程イライラせずに、ただ淡々とルールを伝えましょう。そして、まだできない時が何度もあるという事を、大人が分かってあげている事が必要です。そうする事によって、あまり感情的にならなくて済むかも知れません。

 

 

 第二段階(3歳~4歳頃 / 本能=理性)

次の段階の大人の態度も結構難しいでしょう。色々な事ができるようになって、守れることが増えてくるがゆえに、守らない時に大人が怒りがちになります。「何でできるのにやらないの!?」など言ってしまったりするという事です。

 

 

(3-4歳の子ども達)

 

できる時は確かに増えますが、まだまだできない時もあるわけです。例えば食事の際、ほとんどの場合は「いただきます」と言って皆が揃ってから食べられますが、ある時、待てずについ手が出てしまったりします。そのように、まだまだ完璧には発達してないという事ですね。

 

それも分かってないと、大人がイライラしてしまいます。お母さんたちは、それが悩み所となる時期でしょう。

 

3〜4歳の時期は、ちょうどイヤイヤ期は消えてきていると思いますが、今度は嘘もつけるようになっている頃なので、人の物を取ってしまったり、それを見て「取ったでしょ?何か持ってない?」と聞くと「持ってない」と言ったりします。

 

嘘をつけるのはある意味、認知発達が発達したという事なのです。しかしここでもやはり大人側は「できる時もあるけど、まだまだできない時もある段階」という事を理解しておくと、適切な対応ができるのではないでしょうか。十分な従順性が育つには、もう少し時間が必要だという事です。ただ、もちろんこの時期も「感情的にならず、やって良い事と悪い事を伝えていく」事が大切です。

 

 

 第三段階(5歳頃~ / 本能理性)

そして、5歳になったらルールはほぼ皆破らなくなり、とても従順にルールを守れるようになっています。

 

(エミール保育園 幼児クラスより)

 

しかしそこでルールを破る事があるとすれば、少し逸脱(※)気味だと思うので、別の原因を探ってあげたりするなど、少し注意が必要かも知れません。発達段階的には、もうルールをきっちりと守れるのです。

 

(※本来のあるべき良い子の姿ではなく、精神的エネルギーと、肉体のエネルギーがアンバランスになっている状態)

 

後は「何故このルールがあるのか」というのを教えてあげる事も有効です。この段階の子は、ルールに納得すると「あ、そっか!」と言った感じでさらに守れるようになります。「あなたがこれをしないと、他の子に迷惑が掛かるんだよ」のようにきちんと話すと、意外と理解できるのです。

 

ただ単に「○○くん、廊下走っちゃダメよ!ダメ!」と言うよりは、「あのね、ここを○○くんが走るじゃない?そしたらさ、ほら見て。ここに赤ちゃんの組があるでしょ?赤ちゃんが寝ていてね、うるさいと思うよ。」とか言うと、「あ!!」って言って、静かに気を付けて歩いて行くようになります。だから「こんな理由があってこのルールがある」という部分をきちんと知らせてあげれば、「つい、悪気なくやっちゃう」って事もなくなるのではないでしょうか。そして逆に、子ども達が皆で「ここはシーっよ!」とか言う事もあります(笑)』

 

 

 

 

(お話:大原青子先生)

 

大原青子先生 プロフィール

 

社会福祉法人香楠会エミール保育園 園長

AMI(国際モンテッソーリ協会)認定 准教師養成トレーナー(0-3歳レベル)

久留米信愛女学院短期大学 幼児教育学科 非常勤講師

慶應義塾大学文学部哲学科卒、福岡教育大学修士課程修了M Ed取得

AMIパリコースにて幼児(3-6歳)レベルの国際教師資格取得

AMIデンバーコースにて乳児(0-3歳)レベルの国際教師資格取得

 

 

 

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