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イデー・モンテッソーリ/モンテッソーリ教育を愛する全ての人へ

2018.08.02 AMIエレメンタリートレーナー バイバ先生インタビュー① 小学生のモンテッソーリ


モンテッソーリ教育は、幼児期のみの教育なのでしょうか?

 

いいえ。実は、6歳以降もモンテッソーリ教育は続いているんです!

 

モンテッソーリの小学校は、世界では当たり前のように幼稚園に併設され、広く教育が行われています。

 

そこで日本でも、小学校以上のモンテッソーリ教育がもっと広まることを願い、モンテッソーリ教育の6歳~12歳における世界的第一人者、イタリアのバイバ先生にお話を伺いました。

 

(画像出典:http://www.montessoricongress2017.org/baiba-krumins-grazzini.htm)

(Source of photo: http://www.montessoricongress2017.org/baiba-krumins-grazzini.htm)

 

バイバ・グラッチーニ先生 プロフィール

AMI認定のトレーナー、講師、試験官、イタリア共和国ロンバルディア州ベルガモのトレーニングセンター(Centro Internazionale StudiMontessoriani)のディレクター。イタリア、ベルガモの小学生過程のトレーニングセンターには1975年から関わり、1986年にトレーナーに、そして1992年よりディレクターに。イタリアのみならず、スペイン、アイルランド、インド、日本など世界中で小学生教師養成のコースを開いている。

 

 

 

年齢によって変わるモンテッソーリ教育

– バイバ先生、日本ではモンテッソーリ教育は主に6歳までのものだと思われることが多く、まだ認知度が低いと思います。知らない方に向けて、モンテッソーリの小学校課程について教えて頂けますか?

 

「最初にお伝えしたいのは、モンテッソーリ教育が全年齢において同じ方法で行われていると誤解されがち、ということです。

 

でも実際にはそれは違います。本当は、成長する子どもの年齢によって、心理や肉体が変わり、教育に必要な物が変わるため、年齢に合わせて、モンテッソーリメソッドは変化していきます。」

 

ベルガモ・エレメンタリートレーニングセンターの様子

(ベルガモ・モンテッソーリ教育のエレメンタリートレーニングセンター)

(the Fondazione Centro Internazionale Studi Montessoriani) (Bergamo, Italy)

 

 

 

発達の四段階とは

「モンテッソーリは人間の発達を、0-6歳、6-12歳、12-18歳、18-24歳の4つのステージ分けました。四段階、それぞれ全く違う環境が必要なんです。」

発達の四段階イラスト

 

「子どもは成長するにつれ、全く異なる成長段階にいて、違ったものを求めているのです。ですから、3歳~6歳にしていたのと同じモンテッソーリ教育を、そのまま6歳~12歳に行うということではないんです。」

 

 

 

6歳以降に大切な事

「6歳までの子どもは、感覚や動きを使いながら、身の回りを探索していました。そのために、運動と感覚による経験をとても大切にしてきました。

 

でも6歳以降になると、感覚や動きを使うとともに、想像力を使ったり、より抽象的なレベルのことを論理的に学んだりすることに興味をもつようになる。そういうことが可能な年齢になっているのです。

 

さらに、小学生になると、身の回りにあることを学ぶだけではないんです。彼らは宇宙全体を対象にして学びたいと思っています。太陽系、人間の社会など、全ての世界です。」

 

 

 

 

小学生は、手を使って「抽象的なこと」を学ぶ

– 一般的に小学生になると、鉛筆とノートで学んでいくイメージがありますが。

 

「6から12歳には、まだ手を使いながら学ぶ必要があります。ですから、とても抽象的なこと、例えば、『代数』や『幾何学』『言語』『生物』『歴史』『地理』『芸術』『音楽』なども学びますが、まだ手も使うんです。」

 

ベルガモ・エレメンタリートレーニングセンターの様子

(ベルガモ・モンテッソーリ教育のエレメンタリートレーニングセンター)

 

– 手を使って学ぶために、たくさんの教材や具体物が置いてあるんですね。

 

「そう。モンテッソーリ教育のエレメンタリーには、綿密に構成された教具、教材と、プログラムが存在しますが、何をするかは、全て子どもによって違います。モンテッソーリ教育のやり方は、子ども中心だからです。カリキュラム中心ではなく。」

 

ベルガモ・エレメンタリートレーニングセンターの教具棚

(ベルガモ・モンテッソーリ教育のエレメンタリートレーニングセンター)

 

 

 

6歳~12歳が同じクラスでもいい?

「クラスは3-6歳の時同様に縦割りですが、分け方は6-9歳と9-12歳でもいいですし、6-12歳の1クラスでもいいんです。

 

もし生徒が20人で、その年齢幅が6歳~10歳だったら、生徒が少ないので分けたくはありませんよね。モンテッソーリは、『最低でも3学年一緒であることが条件だ』とだけ言っているのです。『最大何学年まで』とは言っていないのです。」

 

 

 

日本の問題点→重要なのは技術の習得ではなく、「個々の成長」

– 一方でモンテッソーリ教育で、全年齢で共通していることはありますか?

 

「それは、個々の“成長に焦点をあわせている”こと。これはどの年齢にも共通したことです。

 

そしてこれこそがモンテッソーリ教育を行う上で、日本の課題だと思います。なぜなら、日本では、小学校でも、卒業までに一定の技術を学ばせるという、ある種の『結果』に焦点を合わせているからです。ところが、モンテッソーリは常に『個々の最適な発達』に焦点をあわせています。重要なのは、一定の技能の習得ではなく、個々の成長なのです。

 

もしもその子どもにあった条件の整えられた環境を与えられたら、その子は、持っている全ての可能性を成長させることができるんです。心も、道徳も、社会的視点においても、しかもその子にとって幸せな方法で。」

 

– 幸せな方法とは、どんなことがポイントでしょうか?

 

ベルガモ・エレメンタリートレーニングセンターの様子

(ベルガモ・モンテッソーリ教育のエレメンタリートレーニングセンター)

 

 

子どもが幸せに学ぶ方法

「もし子どもが国の重んじるカリキュラムの中で、何かを学ぶことを強制されて、『違う違う違う違う!』と常に言われ続けていたら、そこにはどんな学ぶ幸せがあるでしょうか?

 

学ぶ幸せは、内側から来るんです。外側からの強要ではなく。

 

もし子ども達が既に6歳までの環境の中で、モンテッソーリ教育を受け、主体的によく働く習慣や、良い社会性や規律、自発性などを身に着けられていたとしたら、これらは小学生になった時に、身の回りのものだけでなく、世界を探索する準備ができているということなんです。彼らはすでにお仕事をすることに慣れています。誰も強制したりしていませんし、彼らが働きたいのです。

 

そして、自分の興味のあることを、主体的に、試行錯誤しながら、発見していく。それが、幸せな学びの方法です。子どもには、幸せに学ぶことで自分自身に満足して、他者と幸せに関わる人間になってほしいですよね?」

 

(ベルガモ・モンテッソーリ教育のエレメンタリートレーニングセンター)

 

 

 

目指すのは「地球市民」

「モンテッソーリ教育では、小学生の子ども達のことを『地球市民』と呼びます。それは、単にある特定の文化にだけ適応するのではなく、全ての世界に適応できる人間のこと。そして、世界を理解し、世界につながり、世界に属していると感じられる人間のことです。

 

子ども達が小さい時は、彼らはまずは日本人になりますね。でも第二段階(6歳~12歳)では、世界に適応して地球市民となっていく。世界へと大きく動き出すのです。

 

ですから第二段階(6歳~12歳)における我々のアプローチは、宇宙的教育(コスミック教育)と呼ばれています。これが6歳~12歳に対するモンテッソーリの方法なのです。

 

それは、社会や宇宙の一員として、平和に貢献できる人間を作ることが目的なのです。」

 

– バイバ先生、ありがとうございました。次回は、モンテッソーリの小学生の先生を目指す方に向けてのメッセージをご紹介します!

 

ベルガモ・エレメンタリートレーニングセンターの様子

 

 

【CISM(Bergamo Montessori Training Center)】

Fondazione Centro Internazionale Studi Montessoriani

Via Pignolo, 73; 24121 Bergamo, Italy

http://www.montessoribergamo.it/

Course Dates: September 3rd, 2018 – June 29th, 2019

Course Director: Ms. Baiba Krumins Grazzini

 

 

 

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