2018.06.07 モンテッソーリ教具のはじまった場所「ゴンザガレッディ・モンテッソーリ(GonzagArredi Montessori)」


 

 

“モンテッソーリ教具” というと何を思い浮かべますか?

 

「ピンクタワー」、それとも「茶色い階段」「赤い棒」「色付き円柱の箱」?

先生方は、きっと慣れ親しんだ教具を思い浮かべることでしょう。

 

 

それでは、以下の画像をご覧ください。

 

青い階段と白い円柱!?

 

緑の棒と水色の色付き円柱!?

 

 

これはにせものでしょうか?いいえ、実はマリア・モンテッソーリ自身が考案当時の、本物の教具なんです!

 

 

イタリアで唯一の、AMI(国際モンテソーリ協会)公認の教具製造販売メーカーである、ゴンザガレッディ・モンテッソーリ社の「モンテッソーリ・ミュージアム(MEMO)」を訪れました。

 

 

 

 

 

ゴンザガ侯爵夫人とマリア・モンテッソーリの友情

はじまりは、「マリア・マリアーニ・ゴンザガ侯爵夫人(Marchioness Maria Mariani Guerrieri Gonzaga)」が、マリア・モンテッソーリの親友であり、彼女を応援する存在だったこと。ゴンザガ侯爵夫人の招待により、モンテッソーリは度々彼女のもとを訪れ、子どもの家を立ち上げたり、共に教材の開発を行ったりするようになりました。

 

 

(モンテッソーリ教育の発展に大きな貢献をした、マリア・マリアーニ・ゴンザガ侯爵夫人)

 

 

 

教具の誕生と研究

1911年に、マリア・モンテッソーリ自身の設計で、ゴンザガでモンテッソーリの教具の製造がはじまりました。最初は腕の良い大工さんを集めた、小さなワークショップ(“Ernesto Bassoli e Figli”)のようなものだったそう。

 

1925年頃から会社となり、1975年に、ゴンザガレッディという現在の名前になったそうです。

 

モンテッソーリの死後も、Opera Nazionale Montessori (ONM=イタリア国内のモンテッソーリ組織)やAssociation Montessori Internationale (AMI=国際モンテッソーリ協会)との協力により、今日までモンテッソーリ教育の教具や家具の研究を重ねてきました。

 

 

ONMやAMIのロゴと、特別な感謝が綴られています。

 

 

 

モンテッソーリ・ミュージアム

ゴンザガレッディ社は2014年より「Fami Group」というイタリアの大企業に経営を引き継がれたの機に、社名を「GozagArredi Montessori(GAM)」と改め、さらなる躍進を続けています。

 

ゴンザガにある、「モンテッソーリ・ミュージアム」の開設もその一つ。モンテッソーリの貴重な資料や教具を公開しています。

 

 

 

それでは、その貴重な教具をみていきましょう。

 

 

 

マリア・モンテッソーリの考案した当時の教具!

ここに展示されている教具は、20世紀初頭にマリア・モンテッソーリ自身がデザインしたそのままの、とても貴重な物ばかり!!ゴンザガ氏のお屋敷の倉庫から発見されたという、1911年当初の教具もたくさん展示されています

 

モンテッソーリが考えた、木製のとても軽い椅子と机。

 

家具が軽い理由は、子どもが運べるため!…ではなく、その軽さゆえに、子どもが家具にぶつかるとすぐに動いてしまうことで、「子どもが物にぶつからないように意識して動けるようにするため」だったそうです。

 

 

世界で一番古い(?)「着衣枠」。

 

 

 

モンテッソーリが考えたオリジナルの色!

このミュージアムで昔の教具を見ると、モンテッソーリ教具も時間と共に変化してきたとうことが分かります。

 

 

「色付き円柱」。我々が慣れ親しんでいるものとは、箱のデザインも違っています。

 

 

「幾何タンス(図形の引き出し)」。

 

 

「幾何タンスのカード」。

 

 

「青い立体」は水色で、箱に入っています。

 

 

イタリアには「色板」の4番目の箱が! 3番目の箱の濃淡のグラデーションの間の色、蛍光色などが紹介されているそうです。

 

 

「メタルインセット」の棚には、「色鉛筆たて」もついています。

 

 

「数のビーズ」は、もともとはガラス!!ガラスの色ビーズは、色も今とは違います。

 

 

「数の棒」。

 

 

「つむ棒箱」は、緑色!輪ゴムではなくて、リボンです。

 

 

「砂文字」と、「メタルインセット」。もともとは鉄製ではなく、木製はだったとのこと。イギリスで鉄で作った会社があったため、メタルインセッツは、メタル(鉄)へと変化していったということです。

 

 

こちらは、赤ちゃんのための教具。色使いが、鮮やかです。

 

 

「大陸のパズル」。

 

 

「セガン版」などの数の教具。

 

 

「今日、昨日、明日」という時の流れが分かる教具。実際にミラノのモンテッソーリ園で、今も使われていました。

 

 

「時の活動」の教具の数々。

 

 

小学校で使う教具も、基本的な設計にはマリア・モンテッソーリ自身も関わり、そして、それを発展させていったのが、息子のマリオ・モンテッソーリたちだったそうです。

 

 

 

 

「モンテッソーリ・ミュージアム」で、モンテッソーリ教具にも歴史があり、たくさんの人の開発や研究によって、今日の教具があるのだと感じることができました。

 

 

案内してくださった「ゴンザガレッディ」の皆さん、ありがとうございました!

 

 

 

 

【GonzagaArredi Montessori】

Via Leone XIII 7 Gonzaga MN- 46023

https://www.gonzagarredi.com/en/

 

 

 

お知らせ

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