オーストラリアのモンテッソーリ小学校 Inner Sydney Montessori
前回は、オーストラリアのシドニーにあるモンテッソーリ・スクール「Inner Sydney Montessori（インナー・シドニー・モンテッソーリスクール）」の小学校低学年クラスの全体の様子と「言語教育」「数教育」の環境についてご紹介しました。
（Inner Sydney Montessoriの外観）
今回は、引き続きモンテッソーリ小学校で学ぶ分野の中から、「地理」「歴史」「幾何学」に関する環境のご紹介をいたします。
生徒に人気の「火山を噴火させるお仕事」は必見です！
地理
実験的な活動もある地理は、世界や宇宙を知りたい子どもたちの大好きなお仕事がたくさんあります。
地理の棚①。
地理の棚②。地球や宇宙についての教材が置いてあります。
火山のしくみを知る活動。
噴火（volcano）
子どもたちが毎日と言って良いほどやっている大人気のお仕事が、「火山を噴火させるお仕事」です。
瓶の中に、洗剤を入れ
ベーキングソーダをいれ
お酢と着色料をいれたら···
火山が噴火します！
もともとは「手のない神さま」という物語で先生が見せるものですが、今では毎日のように誰かが火山を噴火させるのに夢中のようです。子どもたちは、実験が大好きです。
地球の「核」について調べるお仕事。
「Interdependencies (相互依存)」。モンテッソーリの小学校では「人は一人では生きられず、誰かと助け合っていきている」という考えをくりかえし子どもたちに伝えます。
例えばこの「食べ物（肉）はどこから来ている?」というカードでは、肉が自分たちの元に届くまでに、いかに多くの人間の働きがあるかを知り、感謝する気持ちを育んでいきます。
歴史
人間の歴史のタイムライン。
「タイムラインづくり」興味のあるものは、自分たちで調べて探索します。
歴史の棚①。
マリア·モンテッソーリの歴史のカード。自分たちの受けている教育を作った人を知りたいですよね！
服の歴史のカード。
こうして、先生があらかじめ用意しておいたカードなどはきっかけに過ぎません。それをただ暗記するのではなく、自分の興味のあることに広げて、発展させていきます。
幾何学
幾何学の棚①。子どもたちは長さを測るなど、様々な形に興味をもっています。
幾何の棚②。3-6歳で見慣れた形のお仕事「青い幾何立体」のようなものがあります。これは実は、体積を計算する時に使います。
幾何の展開図。こちらは五角錐です。
様々な物の長さを図る定規。「幾何の物語」なども環境に置いてあります。
6歳位の子は、まずは形に親しみ、色々な形を作って、トレースして色を塗ったりと、芸術とも密接に関連しているのが幾何の分野です。
いかがでしたでしょうか。次回は「生物」「音楽」「芸術」関する環境に加え、モンテッソーリ小学校の「レッスンプラン」「ルールの設け方」までご紹介いたします。
（取材、文 あべようこ）
【Inner Sydney Montessori School】
Balmain Campus
(Preschool and Primary)
and ISMS Administration
44 Smith Street Balmain
NSW 2041
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