2019.04.24 モンテッソーリ童円幼稚園(蒙特梭利童圓幼兒園)(台湾>台北)


台湾で約45年の伝統のあるモンテッソーリ教育。中でも台北にあるモンテッソーリ園『童圓』は、35年の歴史がある園です。数年前に日本のモンテッソーリアン・グループが訪問した際「びっくりするくらい子どもがお仕事していた!」と驚いたという、伝説の園。

 

3~6歳までの子供たちが通っています。そのクラスの環境と教具の一部をご紹介します。

 

 

全体

外観

台北市内にある童圓。

 

建物の1階から3階を使って、3-6歳の子供たちが9時から18時まで過ごします。

 

モンテッソーリ童円の外観

 

 

3-6歳クラス

モンテッソーリ童円の3-6歳クラスの様子

 

 

お部屋のいたるところに、台湾の文化を感じさせるような芸術作品・アートが飾られています。

 

 

日常生活の活動

竜眼をくだくお仕事

日常生活の活動は「その国の文化」に根差していることが大切です。ここで、台湾ならではの教材を見せてもらいました。

 

何かをつぶして食べる活動としては、日本で「ゴマをする」お仕事が一般的ですが、台湾では「竜眼」の実を砕いて、殻をむきます。竜眼は子供たちが日常で目にして、食べるものだからです。

 

モンテッソーリ童円の竜眼を砕くセット

 

モンテッソーリ童円の竜眼を砕いた所

棒を使ってつぶして、殻を割ります。ぷ~んといい香りがし、視覚だけではなく嗅覚も刺激されます。

 

モンテッソーリ童円の殻と実に分けられた竜眼

割った殻は、真ん中の器に。取り出した実は一番右に起きます。そのまま1つ食べても良いし、友達にふるまっても良いそうです。食の活動であり、他人への配慮の活動でもありますね!

 

見て触って、食べられる上に、匂いもするし、殻を割る時の音も「バキバキ」というので、五感をフルに使ってできるとても良いお仕事です!

 

 

縫いさし

モンテッソーリ童円の縫いさしセット

日本でもおなじみの、紙を使った縫いさし。糸巻きが日本と少し違います。

 

 

糸を巻く

モンテッソーリ童円の糸巻きの活動

糸巻きに、毛糸を巻いて用意する活動もあります。

 

 

枕カバーを作るお仕事

モンテッソーリ童円のまくら作りセット

子供達が自分の枕カバーを作っていました。

 

お手玉を作るお仕事

 

 

袋の中につめるもの

 

 

ボタンをつけるお仕事

 

 

編むお仕事①

 

できあがったら、こんな風にして、瓶をいれたりして実際に使えます。

 

マフラーにすることもできます。

 

 

編むお仕事②

編んだり縫ったりする活動もバリエーションに豊かです。

 

 

ゴッドアイ

交差させた木の棒に、毛糸を巻いていくもの。

 

これは3歳児がはじめて作った作品です。

 

 

開ける閉める①

目と手の協応で色々なものを開け閉めします。子供にとって魅力的な小物は、先生たちが時間をかけて世界中から集めたもの。

 

 

開ける閉める②

日本のお菓子「白い恋人」の缶の中に入っています。

 

 

ねじる

工具などをつかって、子供にちょうど良い開け閉めの教材です。

 

 

輪ゴムを止める

輪ゴムを、木の棒にかけることだけを練習するもの。こうして難しい部分だけとりだして練習しておけば、画用紙に描いた作品を丸めて自分で輪ゴムでとめたり、積む棒のお仕事も一人でできますね!

 

モンテッソーリ童円の輪ゴムどめ練習セット

 

着衣枠

「着衣枠」という、子供が一人で衣服の着脱を練習できるように設計された教具があります。

 

モンテッソーリ童円の着衣枠

こちらでは、お部屋の真ん中にある柱にかけてありました。

 

 

鏡を磨く

「鏡を磨く」のお仕事では、鏡に塗った磨き液が乾くのを待たなくてはいけません。

 

モンテッソーリ童円の鏡を磨くセット

右上にある「砂時計」を使うことで、鏡の表面の磨き液が乾くのを、どのぐらいの間待てば良いのか、子供が自分でわかります。

 

 

 

数や言語

 

モンテッソーリ童円の数と言語の棚

写真を撮った際には片づけのために棚が寄せられていましたが、奥が数、手前が言語の教具棚です。

 

奥に神様が見えます。子供たちは、毎日なでているそうです。そんな環境も台湾ならではのもの?

 

 

台湾の言語教材

モンテッソーリ童円の言語教材

 

数教育

 

 

 

文化教育

様々な自然物

小学生になると、自分の身の周りのことから、地理や生物、歴史などに興味を広げていきます。その前段階になるのは、具体物を見る経験です。ここでは先生たちにより、とても素敵な本物が用意されていました。

 

この石や、この実はなんだろう?

 

モンテッソーリ童円の文化教育の棚

様々な「本物」の貝や化石などが集められています。

 

モンテッソーリ童円の文化教育の棚

「これなんだろう?」「この魚はどうして鋭い歯がたくさんあるの?」「この化石はどこから来たの?」

 

小学校に近づいたころの子供は、興味を持って図鑑で調べるかもしれません。先生はただ言語を与えることもできますね。

 

あ!ヒトデだ!この前水族館でみた!子供たちの好奇心の源になりそうな棚ですね。

 

 

最後に、創立者の梅先生からメッセージを頂きました。

 

モンテッソーリの先生になるために

「良いモンテッソーリの先生として続けていくためには、経験と共に、色々な知識が必要です。モンテッソーリ教育に限らず、あらゆる本を読み勉強すること。例えば、アラスカがなぜアメリカの一部になったのか?そういうことにも興味を持って知っていることが大事です。自分自身が様々な他分野の知識を広げて勉強し続けていくこと。

 

子供だけでなく、親にも接していくので、先生たちも学び続ける姿勢を持つことが、人を育てる上でとても大事だと思います。」

 

伝統があるだけではなく、2016年にアメリカのセントルイスで3-6歳のモンテッソーリ教育のトレーニング(http://www.mtcstl.org/)されたモンテッソーリの先生方も働かれており、新しい情報も積極的にクラスに取り入れていらっしゃいました。

 

童圓の皆様、日本のモンテッソーリアンのために、素敵な環境を見せて下さってありがとうございました!

 

蒙特梭利童圓幼兒園

住所:No. 54之1號, Section 2, Jinan Road, Zhongzheng District, Taipei City, 100

電話: 02 2395 7517

 

梅先生へのインタビュー記事はこちら

 

 

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