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2018.11.15 天野珠子先生インタビュー 〜家庭でできるモンテッソーリ教育〜


天野珠子先生

天野珠子先生

プロフィール

NPO法人東京モンテッソーリ教育研究所理事長。同-付属教員養成コース「言語」実践講師および「総論」「心理学」理論講師。日本で最初のモンテッソーリ教師養成コース「上智モンテッソーリ教員養成コース」に入学し、その後現在まで多くのモンテッソーリ教師を養成。駒沢女子短期大学名誉教授。学校法人天野学園「愛珠幼稚園」理事長・園長。日本モンテッソーリ協会(学会)副理事長。

 

 

 

これまでイデー・モンテッソーリでは数回に渡り、「東京モンテッソーリ教育研究所 付属教員養成コース」を取材してきました。(その記事はこちら

 

今回は、東京モンテッソーリ教育研究所理事長の天野珠子先生に「家庭でできるモンテッソーリ教育」についてお話を伺いました。

 

 

 

モンテッソーリ教具は買わないで!

– この教員養成コースには、豊富なモンテッソーリ教具や教材が用意されていますね。

 

今、おうちでモンテッソーリ教育による子育てをしたい方がとても増えているように思います。家庭でモンテッソーリ教育の考えで子育てをする時、どんな教具が必要なのでしょうか?

 

砂文字板や絵カードなどが並んだ言語教育の棚

(東京コースの言語教育の棚)

 

天野珠子先生の顔

「モンテッソーリ教育では、モンテッソーリ教具の他に、理論(子どもの見方や考え方)があります。考え方を知れば、家庭でできることがたくさんあって、モンテッソーリの教材を買ったりしなくても充分できるんです。

 

例えば、手や体を思い通りに使いたい時期にぴったりな『日常生活の練習』の教材があります。何か教材を作らなくても、家庭では『食卓にお皿を運ぶ』『卵を割る』『クッキーを作る』など、そういったことを通してモンテッソーリ教育ができます。」

 

子供がゴムベラでボールの中のパンの材料を混ぜているところ

 

天野珠子先生の顔

「そして、五感が敏感な時期の子どもの大好きな『感覚教育』もそうです。家庭では日常生活での体験を通じて、自分の感覚をたくさん使うことができます。」

 

窓拭きで枠に垂れた水をミトンで拭く子供

 

 

 

大人との日常会話こそ子どもの辞書

天野珠子先生の顔

「『言語教育』も同じです。例えば、お台所のお手伝いをする子どもに、『ママこれどうするの?』と聞かれた時、ただ『焼くの!』と答えて終わるのではなくて、『いためる』だとか『ふかす』だとか様々な言い方を紹介して、ボキャブラリーを増やしてあげることができます。

 

それは昔の心理学の研究で、『親の語彙数が子どもの語彙数にも影響していた』という研究データからもわかったくらい、『親から聞く豊富な言葉』が子どもの辞書なんです。」

 

– 日常会話は、当たり前すぎて、軽んじてしまいそうですね。

 

天野珠子先生の顔

「日常会話で語彙を豊富にする事は本当に大切です。「ねえ、あれなんて言う意味?」と子どもが聞いた時に、いい加減に答えないできちんと子どもが理解できるように答えることを大事にしてほしいと思います。

 

長年幼稚園で園長をしていますが、小さな子どもがわかるように話すのは難しいんですよ。でもそれを大人が努力して、子どもに分かる言葉で教えてあげるということは、子どもの言語の習得にとてもよいです。勿論、カルタをするとか本を読んであげることもよいですね。」

 

天野珠子先生

(東京コースの言語教育担当の天野珠子先生)

 

 

 

絵カードのかわりになるもの

– 先生の専門の言語教育に関しては、家庭でその他にどんなことができると思いますか?

 

天野珠子先生の顔

「モンテッソーリの言語教育には、壁に砂文字(ザラザラしている文字の部分を指でなぞれる教具)が貼ってありますが、『砂』でなくても、視覚的に文字をお部屋に貼っておくのは良いことだと思います。」

 

モンテッソーリ園のクラスで、壁に貼ってある平仮名の砂文字

(モンテッソーリ園のクラスで、壁に貼ってある平仮名の砂文字)

 

天野珠子先生の顔

「例えば、子どもの物をしまう引き出しに、靴下の絵を描き、その下に『くつした』というラベルを貼っておくとか、靴箱のパパの靴を置く部分に『パパ』『ママ』だけじゃなくて、パパやママの名前をひらがなで書くとか。それが言語教材の『絵カード』などの代わりになるので、家庭ではそうやって具体物とその名称を自然に覚えていくのがよいと思います。」

 

 

 

色鉛筆のすすめ

天野珠子先生の顔

「後、字を書く時に、色鉛筆を是非使ってほしいと思います。ヨーロッパにいくとモンテッソーリ教育以外にも様々な幼児教育があるけれども、共通しているのは、字を書くのにすごく色を使うということなんです。」

 

モンテッソーリ言語教育でも使う色鉛筆と「はめ込み図形」という教

(モンテッソーリ言語教育でも使う色鉛筆と「はめ込み図形」という教材)

 

– 字は黒で書かなくてもいいんですね。

 

天野珠子先生の顔

「はい。色を使うと、子どもの書く動機づけにもなります。この幾何図形(※下画像)は、『はめ込み図形』を色鉛筆で描いたり、デザイン化したものです。文字を書く前段階の言語教材で、唯一、世界中で共通するものです。ことばが違うと他の教材は使えませんから。」

 

メタルインセッツで様々な色で描かれた作品が並んでいる

 

メタルインセッツで様々な色で描かれた作品が並んでいる

(※モンテッソーリの言語教育でも様々な色を使って書く練習を楽しむ)

 

– もし小さな2-3歳位の子で、色鉛筆を持てる前に字を書きたがったら、どうしたらいいでしょうか?

 

天野珠子先生の顔

「例えば、うすく小麦をまいたところに、指先で字をかくと浮いてでてくるでしょう?そんな遊びをパンを焼く前にしてもいいかもしれません。あるいは砂場で字を書くとかね。

 

昔は、ろうせきで遊んでいましたが、私の幼稚園では水を指先をつけて、レンガの部分に一生懸命字を書いていた子もいます。濡れているから、レンガに字がうつるのに夢中で集中していました。子どもが自然に自発的に、しかも無料でできるものが、家庭の中にはたくさんあります。だから、家庭でモンテッソーリ教具の『砂文字』なんか買わないでくださいね。笑」

 

モンテッソーリ教育の「言語教育」の砂文字などや講文字の教材

(モンテッソーリ教育の「言語教育」の砂文字などや講文字の教材)

 

– それでは、色鉛筆を正しく持つためにはどうしたらよいでしょうか。

 

天野珠子先生の顔

「鉛筆の訓練をするよりも、指先を上手に動くような間接的に部分的な練習をしておいた方が良いと思います。文字から書かせようとするよりも、子どもが書くようになるまでは、お箸を使うだとか、台所のお手伝いをするだとか、そういうことで、いつでも『はい!字を書きます!』となった時に、手首がしなやかに上手に動くような練習をしておくことの方が大事だと思います。

 

筆圧は練習をしないと、本当に弱くなりますよ。最初は握って書くからクレヨンから入ってもいいし、好きな色の色鉛筆で色を塗ったりしてもいい。教具のないところでは、教具をまねするよりは、間接的な方向で基礎的な練習をしている方が良いと、私は思います。」

 

外の植木に水やりをする子供

 

– それでは、逆にモンテッソーリ園に通うことの一番のメリットは何でしょうか?

 

天野珠子先生の顔

「それは、興味にそって、順序だって、文字を覚えられるということ。それは言語教育だけではありませんが、何でも混乱しないように秩序だって覚える筋道を、モンテッソーリは考えてくれたんです。

 

小学校にはいると、やっとひらがなを習いはじめますけど、そこまでがすごく長いですね。『言語を知りたい』まさにその時に、ふさわしい環境があれば、子ども達が夢中で引き付けられますよね。私の幼稚園では、3歳の頃に日常生活の練習や感覚教育の活動をたくさんやっていますが、その子たちが4歳になると、皆文字に興味を持つようになるんです。」

 

– 4歳頃が文字への敏感期ということですね。

 

天野珠子先生の顔

「同じ年中でも、4月に4歳になる子、8月に4歳になる子、12月で4歳といるけれども不思議とその順番で興味を持っていくんです!それは見ていて本当に面白い現象だと思います。」

 

– もちろんモンテッソーリ園に通えるのが理想だと思いますが、その環境がないご家庭では、モンテッソーリの教具や教材の真似をするよりも、自然に取り入れていくことがよいのですね。

 

天野珠子先生の顔

「そう。教具を買ったり、字を書かせようと慌てたりするより、その基礎となる『字がかける脳と腕の連動』ができることの方が大事になると思います。丸や絵を書いたり、お手伝いをしたりして、体の思った部分が思い通りに動くようにしておくこと。そういう基本を大事にして、そして日常生活で自然にボキャブラリーを豊富にしておくということですね。」

 

椅子に座り、サンスベリアの葉を拭く子供

 

 

 

家庭でも工夫してたくさんのことができるということが分かりました。

天野先生、お話を本当にありがとうございました!

 

 

 

東京モンテッソーリ教育研究所 付属教員養成コース」(東京コース)

〒112-0002 東京都文京区小石川2-17-41 富坂キリスト教センター2号館 

(Tel)03-5805-6786  (Fax)03-5805-6787

メール:info@montessori.or.jp

 

天野珠子先生が園長をつとめる「学校法人天野学園 愛珠幼稚園

 

〒156-0052 東京都世田谷区経堂1-1-14

 

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